2016年7月25日月曜日

都知事選、候補者の方々に公開質問状を送りました。

【東京都知事選】
7月31日投開票で、東京の新しいリーダーを決める重要な選挙が行なわれます。
7月14日に告示され、21名の方が立候補しました。

わたしたちは、候補者のみなさんが都市計画道路に関連して、東京のまちづくりや自然保護についてどんなビジョンをお持ちなのかを知りたいと考え、7月15日付で公開質問状を送らせていただきました。

7月14日の時点で連絡先が判明した候補者10名に、住所を公開している候補者には郵送で、それ以外でメールアドレスを公開している方にはメールで、それぞれ送付いたしました。

回答期限は7月22日(金)とさせていただきました。
いただいた回答を原文のまま、こちらのFacebookページ及びブログに公開させていただきます。

候補者のみなさまにはご多忙中のところ大変恐縮ですが、ご協力いただけることを、心から願っております。

有権者のみなさまには、それぞれ気になる政策があるかと思いますが、東京都の都市計画道路事業のあり方を見直す大きなチャンスとなる選挙です。ぜひともご注目ください!

お送りできたのは下記の方々
郵送8件(7月16日午前中到着予定)
・桜井まこと・鳥越俊太郎・増田ひろや・マック赤坂・小池ゆりこ・上杉隆・七海ひろこ・中川ちょうぞう
メール送付済2件
・高橋しょうご・谷山ゆうじろう


*7月22日締め切りでお願いしていましたが、締め切りまでに回答頂けたのは2名の方です。

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東京都知事選挙 立候補者 各位
都市計画道路に関する公開質問状
東京都知事選への立候補に対し、心より敬意を表します。
わたしたちは、東京都の自然遺産である国分寺崖線(はけ)と、それがもたらす豊かな文化を守りたい、という思いで活動している市民団体です。
2016年3月に東京都都市整備局第四次事業化計画の優先整備路線に選ばれた小金井市の2路線について、貴重な自然を破壊する計画だとして、地域住民のみならず大変多くの市民が注目しています。
候補者のみなさまにそれぞれのご見解をお聞きし、寄せていただいたご回答を都民のみなさまへお伝えし、投票の判断材料としていただくと同時に、地域のまちづくりと都政のあり方について考えるきっかけになれば、と考えております。
大変お忙しい中恐縮ですが、ぜひともご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
なお、いただいたご回答は、当会のブログ、facebookページに、そのまま掲載させていただきますので、ご了承ください。期限までにご回答いただけなかった場合は、「回答なし」と公表させていただきます。また、回答の結果によって、当会として特定の候補者を推薦することがないことを申し添えさせていただきます。
ご回答にあたってのお願い
1. 回答期限は、7月22日(金曜日)とさせていただきます。
2. 回答方法は、郵送、又はファックス、メールいずれかの方法でお願いします。
3. 回答字数は自由です。
2016年7月15日
はけの自然と文化をまもる会
共同代表 安田桂子
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質問1
東京都の道路事業のあり方に関する質問
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全国各地で社会情勢の変化に伴い、都市計画道路の廃止・見直しが進んでいます。都市計画道路の多くは今から50年以上前、1960年前後に決定されたものです。当時とは社会情勢が大きく異なる現代において、東京都は「首都としての交通ネットワークの重要性」を理由に、ほとんどの路線を見直すことなく、着々と事業化を進めています。
東京都では道路整備をめぐり、住民による異議申し立てや裁判が多数おこされていますが、都は大きな問題と捉えることなく、道路計画に住民の意見が反映される仕組み作りに着手する気配もありません。
待機児童問題や少子高齢化対策など喫緊の課題が多くある中、地域住民の合意形成の機会もないままに新たな道路の整備に膨大な予算を費やすことに、都民の理解が得られていると言えるでしょうか。
東京都の道路事業のあり方全般、また、住民との合意形成について、お考えをお聞かせください。
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質問2
国分寺崖線を分断する都市計画道路「都-110」及び「都-111」に関する質問
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地域住民が親しみをもって「はけ」と呼ぶ国分寺崖線は、野川と一体となった緑地帯に多様な生物が生息する、都市近郊に残された貴重な自然遺産です。都は「国分寺崖線景観基本軸」を定め景観を保護していますが、高度成長期に急激な都市化により失われた緑を回復するまでには至っていません。国分寺崖線は都民が身近に感じることが出来る自然として、近年その重要さを増しています。都市計画道路「都-110」「都-111」は2路線ともに、この国分寺崖線を貫く計画です。
道路計画地である都立武蔵野公園付近は、大きく分断されることなく約3kmに渡って崖線の緑が残されている奇跡とも言えるエリアです。その中には、都建設局が平成18年から自然再生事業として“水のある豊かな自然環境”を再生することを理念にかかげ、市民と行政が協同して保全に取り組んできた地域も含まれています。道路事業との整合性について、都は「自然再生事業は道路整備を妨げるものではない」としています。
ヒートアイランド現象が深刻化する中、「水と緑のネットワーク実現プロジェクト」など、東京都は緑化を積極的に推進する様々な事業を行なっています。しかし道路事業に自然環境保護の理念が生かされることはなく、私たちに残された身近な緑は失われる一方です。まことに残念ながら、東京都の緑を守る施策は、後退していると言わざるを得ません。
都市計画道路事業と自然保護のあり方について、お考えをお聞かせください。

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回答1
増田ひろや候補 回答文字起こし
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都市計画道路は、東京の都市活動を支え、交通の円滑化や災害時の救急救援活動などに大きな役割を果たす貴重な都市基盤だと考えております。
いつ発生するか分からない首都直下型地震などの大災害に備え、東京の防災力向上を図るためには、木造住宅密集地地域の不燃化や耐震化、大災害発生時の近隣・遠方自治体との連携などが必要不可欠となっています。
その基盤となるのが都市計画道路であり、延焼を遮断するための空間を確保することが急がれます。また、東京全体のネットワークがきちんと形成されてこそ、災害時の救援救援活動が可能となることから、都市計画道路ネットワークの早期整備が必要だと考えています。
なお、整備を進めるにあたっては、地元地域に丁寧な説明を行うなど、地域のご理解を頂きながら取り組むべきと考えております。

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回答2
鳥越俊太郎候補 回答文書き出し
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1.東京都の道路事業のあり方に関して
A.公共事業については、多くの都民と努めてていねいな話し合いをもって、その意見を受け止めることが重要だと考えています。
道路はひとつもつくらなくてよい、とは言いません。しかし、私が考える「住んでよし」「働いてよし」「環境によし」の東京をつくっていくためには、“計画があるから何でも造る”のではなく、まちや人の状況、これからの東京を見つめて、しっかりと考える必要があると思っています。
2.国分寺崖線を分断する都市計画道路「都-110」及び「都-111」に関して
A.都市計画道路事業については、1.でお答えしたことと同じですが、道路はひとつもつくらなくてよい、とは言いません。しかし、「住んでよし」「働いてよし」「環境によし」の東京をつくっていくためには、前のオリンピックの時のようにがむしゃらに、環境もそこに住む人やその生活を省みないで、高速道路を造った時代の反省を持って、事にあたっていくべきと考えています。具体的な道路については、今後、実状を踏まえて検討したい。







*22日の締め切りを守って到着した2候補の回答をすでに公表しておりましたが、公表後
の25日17:37に小池百合子候補より到着しましたので、掲載いたします。
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回答3
小池百合子候補 回答文書き出し
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1.東京都の道路事業のあり方に関して
このたびの都知事選において、私は、「都民が決める。都民と進める。」との基本姿勢をお示しいたしました。このことは私の信念でもあり、東京都の道路行政においても徹底してまいりたいと考えております。
道路は、自動車交通、歩行者・自転車の交通、防災、都市景観の形成などの観点で、非常に重要な役割を担っております。したがって、歩道もない主要道路の拡幅による歩道設置、自転車専用レーンの増設、大震災の際に電柱が倒壊する危険性がある道路からの電柱の除去、大震災の際に倒壊の危険性がある老朽建造物の建て替え、四季の移ろいを感じられる個性のある街路緑化等は計画的に進めていく必要があります。
一方、「人口減少社会=自動車減少社会」の到来を見据えて、道路の新設に関しては、将来需要、費用対効果、地域住民の合意、地元区市町村や区市町村議会の意向、自然環境への影響などを多角的に分析して着手するかしないかを判断していく必要があると考えております。
このたび東京都は優先的に整備すべき路線を決定するに至りました。妥当な内容も多々含まれておりますが、地域住民の合意、地元区市町村や区市町村議会の意向、自然環境への影響という観点で、優先整備路線に位置づけることが適当かどうか、見直しが必要な路線もあると考えております。
知事に就任させていただきましたら、とりわけ地元から強い疑義が提起されている路線を実際に巡視し、地域住民の皆様とも対話し、優先整備路線に位置付けることが不適切だと判断される路線に関しては、大胆に見直しを進めていきたいと考えております。
前知事が決めたからといって、そのまま踏襲するというような硬直的な考えは一切持っておりません。
なお、大昔に決めた都市計画については、大胆に見直しを図っている例もあり、先進事例を参考に東京都の道路行政にどのように反映できるのか検討を進めたいと考えております。

2.国分寺崖線を分断する都市計画道路「都-110」及び「都-111」に関して

このたび東京都が優先整備路線に決定した小金井市内の2路線に関しては、以下のような課題の指摘があると聞いております。優先整備路線の決定にあたっての意見書の提出件数も群を抜いており、知事に就任させていただきましたら、実際に巡視し、小金井市、小金井市議会、地域住民の皆様とも対話し、優先整備路線に位置付けることが不適切だと判断される場合には、必要に応じ、見直しを進めていきたいと考えております。 

1.     小金井市民の皆様、行政、市議会が、長年月、「小金井の宝」として一丸となって保全してきた貴重な緑(はけ)や野川の水辺を広い幅員の道路で分断する内容であり、自然環境の保全の観点、生態系の保全の観点で、慎重な対応が求められる。
2.     これまで、貴重な緑(はけ)や野川の水辺の保全には東京都も主体的にかかわっており、今回の優先整備路線決定は、これまでの都の方針とも矛盾する要素が多い。都市の貴重な緑はいったん失われれば回復は至難の業であり、慎重な対応が求められる。
3.     小金井市議会では、保守系から革新系まで与野党の大方の議員が、優先整備路線決定に疑問を提起しており、地元議会の理解がないまま事業を強行することは不適切である。




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はけ文が質問状に添付した資料。








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